スワイプLP(スライド型ランディングページ)は、スマートフォンでの閲覧を前提に設計された“新しいプレゼンテーション型LP”です。
見た目のデザイン性だけでなく、「構成」「導線」「心理設計」を意識することで、コンバージョン率の高いページを作ることができます。
ここでは、スワイプLPを制作する際の基本的な流れと、事前に準備すべき項目を具体的に解説します。
制作前に明確にすべき目的とターゲット
最初のステップは「誰に」「何を伝えるか」を明確にすることです。
スワイプLPは“1スライド=1メッセージ”で構成されるため、伝えたい情報を的確に整理することが重要です。
目的設定の例
・問い合わせを増やしたい
・LINE登録や資料請求につなげたい
・新商品の販売促進を行いたいターゲット設定の例
・20〜30代の女性(美容・健康系)
・子育て世帯(住宅・教育系)
・40〜50代の経営者層(BtoBサービス系)
この2軸をしっかり定義しておくことで、ページ全体のトーンやビジュアル、コピーがぶれずに制作を進めることができます。
コンセプト設計とストーリー構成
スワイプLPは「流れ」で読ませる構造のため、ストーリーメイキングが成果を左右します。
一般的な構成の流れは次のとおりです。
興味を引くキャッチコピーとメインビジュアル
最初の1枚で「何のページか」「どんな価値があるのか」を瞬時に伝える。共感・問題提起
ターゲットの悩みや課題を提示して「自分ごと」として引き込む。解決策・商品の特徴紹介
スライドごとにポイントを分け、ビジュアルで直感的に理解できる構成にする。事例・実績・レビュー
信頼を補強する内容を入れ、安心して行動できる心理を作る。行動喚起(CTA)
「今すぐ登録」「無料相談はこちら」など、明確なアクションを提示する。
この流れをベースに、「どの段階で何を感じてほしいか」を逆算して設計すると、ユーザー体験がスムーズになります。
デザイン制作のポイント
スワイプLPのデザインは、単なる「見た目の美しさ」ではなく、操作性と情報理解のしやすさが重要です。
1画面1メッセージの原則
1枚のスライドで伝える内容を1テーマに絞ることで、情報が整理され、理解しやすくなります。余白と文字サイズ
スマホで見やすいフォントサイズ(16〜18px前後)を基本に、余白を十分に確保します。色とフォントの統一感
ブランドカラーを基調に、CTA(ボタン)にはコントラストを強めた配色を採用。視線を自然に誘導します。画像と動画の最適化
ファイル容量が大きすぎると読み込みが遅くなるため、WebP形式や圧縮ツールを活用しましょう。
また、最近では「動画+スライド」を組み合わせた“モーションスワイプLP”が主流になりつつあり、より没入感のある体験設計が求められています。
制作ツールと構築方法
スワイプLPは、主に以下の3つの方法で制作できます。
ElementorやWordPressなどのCMSで構築
自由度が高く、運用更新もしやすい。スライドアニメーションを制御するCSSやJavaScriptを組み合わせて制作。CanvaやSTUDIOなどのデザインツールで作成
テンプレートを活用しながら手軽に作成可能。特に広告用LPやSNSキャンペーン向けに適しています。完全スクラッチでコーディング
デザインやアニメーションを細かく制御できる反面、制作工数は多くなります。企業ブランドサイトや高品質案件に最適。
目的・コスト・更新頻度によって、最適な制作方法を選びましょう。
制作前に準備しておく素材・データ
スワイプLPのクオリティを高めるためには、制作前に必要素材を整理しておくことが不可欠です。
商品・サービスの画像・動画素材
特にスマホでは“体験を見せる”映像が効果的。顧客の声・レビュー・導入実績
第三者の声を載せることで信頼性を高めます。キャッチコピー・導線ボタンの文言
CTAの表現次第でクリック率が大きく変わります。広告バナーやSNS投稿素材
スワイプLPとのデザイントーンを統一することでブランドの一貫性が生まれます。
これらを事前に整理することで、制作スピードと完成度が格段に向上します。
公開後のテストと改善
スワイプLPは公開して終わりではありません。
どのスライドで離脱しているか、どのボタンがクリックされているかを分析し、定期的に改善していくことが重要です。
Googleタグマネージャー(GTM)やMicrosoft Clarityなどを活用すれば、
スライドごとの滞在時間や離脱率を可視化できます。
たとえば、
2枚目で離脱が多い → 導入文を短縮
CTAが押されていない → ボタン色・位置を変更
といった改善を積み重ねることで、CVR(コンバージョン率)は確実に上がっていきます。
まとめ
スワイプLP制作の成功は、「設計段階の準備」と「ストーリーの一貫性」にかかっています。
デザインよりも先に、誰に何をどう伝えるかを整理すること。
そして、公開後もデータをもとに検証を続けること。
このサイクルを回すことで、スワイプLPは“作って終わり”ではなく、“育てて成果を出すページ”へと進化します。
スマホファーストの時代において、ユーザー体験を重視したスワイプLPこそ、これからのマーケティングに欠かせないツールとなるでしょう。
